2016年07月02日

映画に見るアメリカの心情

 インデペンデンス・デイ リサージェンスなんかも公開されることですし、
僕もあなたも老いも若きもミリ趣味の原点ともいえる映画のトレンドで、
冷戦後の超大国アメリカの心情の変化を振り返ってみたいと思います。
観てない人はネタバレ注意。

 まずは冷戦映画の王道、「007」より、
007 GoldenEye(007 ゴールデンアイ) 1995

 冷戦終結後、アメリカが脅威に感じていたのは「東側の兵器の拡散」だったのでしょう。
しかし厚かましくもロシア国内でロケしちゃったりと、「戦勝国としての余裕」を感じさせます。

 これに続く1990年代後半のパニック映画群。
Independence Day(インデペンデンス・デイ) 1996
Armageddon(アルマゲドン) 1998
Deep Impact(ディープ・インパクト) 1998


 1990年代、「パクス・アメリカーナ」を実現したアメリカのノリは絶好調に達し、
「アメリカの敵って、自然災害か宇宙人くらいしかないんじゃね?」
という感覚が画面からムンムン漂ってくる作品が立て続けに公開されました。
いわゆる「U・S・A!! U・S・A!!」のノリですね。
他にもスターゲイトとか、「アメリカが宇宙人と協力してプロジェクトを進める」やら、
「アメリカが世界の盟主となって地球の危機を救う」的な作品が多数制作されたように感じます。
ドカーンと派手に爆発し、颯爽とアメリカがあらわれ、めでたしめでたし後味すっきりな作品
ばかりなので、当時中学生だった僕達もまぁ見事に映画にハマりました。

 これらの映画に出てくる兵士の特徴は、何と言っても「汚れない・死なない」事です。
展開している兵士でも新品のような、場合によってはアイロンの折り目もまぶしげなBDUを着て、
着崩し一切なしの教則通りのLC-2装備に身を固めた姿はまさしくUSAヒーローだったのでしょう。

 この頃の基地開放なんかはものすごくのんびりしたもので、
兵隊さんも気の抜けた感じだったし、海兵隊の基地祭に行くと火器を普通に触らせてもらえたり、
ハンヴィーのSAMやAH-1のバルカンを稼働させたり(発砲ではなく)とかできました。
古き佳き時代ですね。

007 Tomorrow Never Dies(007 トゥモロー・ネバー・ダイ) 1997

 しかし東シナ海では米偵察機と中国戦闘機の接触事件が起きるなど、
中国の影響力は静かに・確実に大きくなっていたようです。

Black Hawk Down(ブラックホーク・ダウン) 2001

 そこに起きた9.11はアメリカにとってはまさしく寝耳に水の出来事で、
「僕達なんか悪いことしたの!?」という動揺がはっきりと感じられます。
兵士の姿にはまだまだ余裕が感じられるものの、
硝煙と血と汗で汚れ、場合によっては救援もなく死んでいく兵士たちの姿に
「兵士の死」を(比較的)現実のものとして突きつけられたアメリカの狼狽が見て取れます。
またこの作品での現場合わせの装備改造例は、
ミリ趣味の我々にも戦場のリアリティを感じ取らせるに充分なものだったのではないでしょうか。

The Day After Tomorrow(デイ・アフター・トゥモロー) 2004

 ここでパニック映画のトレンドにも変化が現れます。
アメリカの国家としての自信の揺らぎが、
「アメリカ領土が凍結し、あろうことかメキシコに間借りする形で復興」
という衝撃のラストとなって噴出しました。
大統領演説
「アメリカは一人やないねん。周りの国に感謝せなあかんのやで。」
は、現実を受け入れたアメリカ国民の独白でしょうか。

Jarhead(ジャーヘッド) 2005

 しかしながら、始まったアフガン戦争・イラク戦争は(報道を締め出したためか)どこか非現実的で、
アメリカ国民にとっても戦争は遠い国の捉えどころのないニュースにすぎなかったのでしょう。
「今まで見た戦争映画の戦争って、どこにあるの?」
という疑問が濃縮された作品が生み出されました。

The Hurt Locker(ハート・ロッカー) 2008

 また、「世界中でアメリカが悪い言われてんけど、頑張ってる兵隊さんもおんねん!!」
という叫びも感じられます。
そりゃそうでしょうこの頃主力の兵士は10代の多感な時期に
「U・S・A!! U・S・A!!」映画にどっぷり浸った方々ですから、
大部分の兵士はアメリカの敵=世界の敵と思って、文字通り世界を救う気持ちで
戦っていたはずです。そこがまた物悲しくもあります。

Lone Survivor(ローン・サバイバー) 2013

 そしてとうとう2010年代になると、
米軍最強のSEALsでさえじわじわとなぶり殺しにされるようになりました。
アメリカ人は、戦争はリアルに起こっている出来事で、
兵士は不死身のヒーローではない事を突き付けられたのです。
 初見では僕もまぁショックでした。「SEALsが死ぬの!?」と。
チヌークが撃ち落とされて丸々全滅するのも相当衝撃でしたが、
アクセルソン二等兵曹をはじめとして、SEALsが打つ手なしの状態まで
追い込まれて殺されるシーンは、アメリカの自信喪失を肌で感じる描写でした。

 しかもこの辺りになると、敵の顔や姿がはっきりと判る形で描かれているのですね。
これも今までとは一線を画す演出です。
アメリカの敵は宇宙人でも隕石でもなく、同じ地球に住む人間だったのだと。
そしてアメリカの兵士は同じ人間によって殺されうる存在なのだと、
アメリカもとうとう残酷な現実を認めざるを得なくなったのでしょう。

 以上、ここ20年くらいのアメリカの心情の変化を追ってきましたが、
さて今後アメリカ映画の敵役は誰になっていくのかな? 中国かロシアか?
そんな事を考えながら、ビール片手に過去の大作を観てもいいかもしれませんね。


…とまぁ、便所の落書きを垂れ流した所でアレなので、
これはいいものだ。
映画に見るアメリカの心情
多くは語れませんが、これはいいものだ。

映画に見るアメリカの心情映画に見るアメリカの心情
本物ではないけど、3つともライブ。
作動スイッチも全部ライブ。よく言われている、暗すぎて見えない動作確認LEDも、リモートもライブ。
見える人には3つ、見えない人には1つ見える。いいものだ。

映画に見るアメリカの心情
躯体はアルミ製で強度申し分なし。でも過酷な環境下だと割れたりするんだろうな。
バッテリーはアフガン後大人気のCR123A。
そういえば給電レールのプロジェクトってどうなったんだろう。

映画に見るアメリカの心情映画に見るアメリカの心情
光軸調整全部ライブ。
驚いたことにイルミネーターのスポット調整までライブ!
50mくらいは照らせますが、レンズの質が悪くガサガサです。
しかしまぁパチのくせにここが調整できること自体驚き。
製作サイドの愛情または国策の介在を感じさせます。

映画に見るアメリカの心情
 QDレバーのロックもライブ。
大陸パチの例としてはQDの強度不足または精度不足がありがちですが、
こいつは例外的に全く不安がありません。
そして躯体のネジ止めは全て防水ラッカーで封印されています。
何だこの本気仕様。

映画に見るアメリカの心情映画に見るアメリカの心情
 極めつけはQDの精度許容のネジもライブ。
レバーを強く押し込むことでネジがリリースされ、
レールの幅に合わせ細かくマウントの幅を調整できます。

 歩槍に漢字のステッカーが貼られたこいつが付き始めたら笑うしかないです。
そのくらいの出来映えです。
夜目が効く人は絶対買い。夜目が効かない人も特殊な重りとしては最高。


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Posted by はまさん  at 20:02 │Comments(0)光りモノ(ライト)

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