2009年08月26日

「アノ人」が見た風景

 せっかく楽しみに毎日覗いてくれる方がいらっしゃってるようなのに、
10日も留守にしていたので特別編です。

「WWⅡヨーロッパ戦線の終結」を象徴する映像として、
列柱建造物の上の鈎十字が派手に爆破されるシーンがよく使われます。
あんなデカい建物がどこにあったのか、あったとすれば今どうなってるのか、
結構気になっていたのですが、偶然観る事ができました。

 場所はドイツ東部ニュルンベルク。
ニュルンベルク郊外(市電で10分ほど)のサッカースタジアムの近くにあります。
ニュルンベルクにはナチスの記念碑的建造物が集結していて、
そのために戦後軍事裁判を開く場所として選定されたとか。

「アノ人」が見た風景
 ドク・ツェントルム(旧ナチス本部)。
現在は会議センター兼資料館だそうです。
下部列柱のテラスはそのままトレーラーが走れるほど広いです。
市電はこの前まで。そこからでもひな壇は頭だけ見えます。

「アノ人」が見た風景「アノ人」が見た風景
 件の建造物はドク・ツェントルムから歩いてこれまた10分ほどの池の対岸にありました。
池の周回路は散歩道になっていて、夕涼みの人がいっぱいです。
その名をツェッペリンフェルトといい、ツェッペリン飛行船の着陸場でもあったようです。
 現在ひな壇の列柱は本来の規模の1/5程度になっていて、
なおかつ周囲はカーレースのレーンとして整備されており、
ひな壇は観戦シートとして利用されているみたいですね。

「アノ人」が見た風景「アノ人」が見た風景
 演壇です。よく記録映像でヒトラーが手を振りながら降りてくる階段が
後ろのドアから一直線に続いています。
やはり記録映像で見た景色が「そのまま」あるというのは感慨深いですね。
世が世なら普通の人は歩けなかったような場所ですから。

「アノ人」が見た風景「アノ人」が見た風景
 後ろから見るとほとんど工場。ナチスドイツの兵器をごちゃっとまとめた
平和のオブジェが展示されています。ちなみにひな壇の内部は豪華っぽいです。

 僕が行ったのは夕方6時くらいですが、
ツェッペリンフェルトの周りはネオナチというか走り屋的なお兄さん達がタムロっていて、
あまり雰囲気はよくなかったです。
昼間なら壁打ちテニスしてる人とかランニングしてる人とかいて健康的な感じ。
通常の見学は自由ですが、転落などの危険については「自己責任」だそうです。


 個人的な感想なんですが、
ナチスの建造物というのは威圧感だけあって美的感動がありません。
装飾の少なさというかデカさの割にのっぺりしたというか何というか、
さも

「どうだ! スゴイだろ!! どうだどうだ!!」

と言ってきたげなマッチョな印象なんですよね。
ダムや工場が素直に「スゴイなぁ」と思えるのは本来の機能に付随する「迫力」があるからで、
「迫力」そのものが機能となっているモノって「狙ってる」感じがして興ざめです。

「アノ人」が見た風景
ドク・ツェントルムが見下ろすフォルクスプラッツ(国民広場)では
夏の「フォルクスフェスト(国民祭り)」が今でも開かれます。簡易遊園地みたいなもの。




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Posted by はまさん  at 23:57 │Comments(0)戦跡・遺構

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